評価すべきところはしっかり評価すべき
菅政権の支持率は、下降傾向からいったん下げ止まって40%前後のところで横ばいという感じですね。これも言い尽くされたところがありますが、感染者数の増減と支持率が連動しているということです。
感染者数が減少して、社会が落ち着いてくると支持率は上がり、逆に感染者数が増加して社会が不安に駆られると支持率は下がる。
ゆえに菅政権はとにかくワクチンの接種率を高めて、感染拡大を抑え社会の不安を取り除くことに懸命となります。
僕は菅政権の現状を残念に思います。コロナ禍がなければ、菅政権の功績がもっと冷静に国民に伝わったのではないかと。
もちろん政治に100点満点はありませんから、不十分なところ、おかしいところはあるでしょう。
しかし問題点ばかり指摘しても政治は前に進みません。
批判すべきところは批判すべきですが、しかし評価すべきところはしっかりと評価しなければなりません。
携帯料金値下げは消費税換算で3%の恩恵
僕が菅政権の功績だと考えるところは多々あります。
まずはなんと言っても携帯電話料金の値下げです。これに反対するのは収益が下がってしまう携帯電話会社くらいでしょう。
うちの家計はいきなり恩恵を受けました。子供たちが続々と格安プランに切り替えていっています。
一人につき数千円。うちは子供の数が多いので万円単位で携帯電話料金が下がりました。
ある識者によれば、現在家計費に占める携帯電話料金の割合が高いので、この部分が下がると家計費にとってかなりプラスになるとのこと。消費税換算すると、3%ほどの減税になるとか。
これから各家庭が格安プランに切り替えて、家計負担が楽になったことの実感が広がっていけば、必ず菅政権の功績として評価されることになると思います。
今は、コロナ禍で国民はそれどころではないので、菅政権のコロナ対応への不満の方が上回っていますが。
もちろん携帯電話会社からすればたまったもんじゃありません。まさに営業への政治介入ですから。
しかし携帯電話市場は、現在健全な切磋琢磨が行われているとはいいがたい。消費者である国民よりも携帯電話会社の方が圧倒的に有利です。
携帯電話会社はあの手この手で料金が高止まりになる仕組みを維持していた。ゆえに各会社同士での切磋琢磨が生じません。
こういうときには、最後は政治が介入するしかありません。
(ここまでリード文を除き約1000字、メールマガジン全文は約1万1000字です)
※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.253(6月29日配信)から一部を抜粋したものです。気になった方は、メールマガジン購読をご検討ください。今号は《【菅政権「仕事師」の功績】コロナ禍に隠れがち「携帯値下げ」「デジタル庁創設」「100万回接種」の本当の意味》特集です。