上手に香りを使えばテレワークも捗る

コロナ禍の今だからこそ、自分を癒やしたいときに香りを選ぼう。薬剤師で「自然療法学校マザーズオフィス」講師である久保田泉氏は、「セルフケアの手段としてエッセンシャルオイル(精油)を活用してほしい」と話す。好きな精油をティッシュに数滴垂らして部屋に置いたり、使用するマスクにひと振りしても。

春にお勧め! 精油効能別ガイド

「無香料のバスミルクか植物油に精油を1~5滴くらい加えたものを浴槽に入れ、“香りつきお風呂”に入浴するのもいいでしょう。マカデミアナッツ油やホホバ油などで精油を約1%の濃度(小さじ1杯に精油1滴程度)になるよう薄めて自分の手に塗ったり、体をトリートメントするのもお勧め。瀬戸内海の柑橘や北海道のハッカなど、ある地域を連想させる香りを嗅いで、国内旅行をしたような気分になるのも楽しいですね」

香りは、人とつながる手段にもなる。

「離れたところにいる大切な人に香り付きのお便りをするんです。『庭に咲いていたよ』と植物の花や葉を添えるのもよし、ムエット(試香紙)に付けた精油を同封してもよし」(久保田氏)

100%天然のものから作られた精油に対し、人工的に作られた香水が良くないかというと、そんなことはない。久保田氏は「食べものでも精油でも香水でも、極端な話、芳香剤でも、香りを大切にする生活は脳を喜ばせる」と話す。

“気持ちの切り替え”にも、香りが使える。特にテレワークで平坦な日々になりがちな会社員は、要所要所で使う香りを自分で選択しておくのだ。

「仕事前に必ずコーヒーを飲むなら、コーヒーの香りが仕事に入るスイッチになりやすい。一例として、朝起きたときはレモンなどの刺激のある香りを、商談の前には集中力を高める木の香りを、仕事を終えたときのスイッチオフにはラベンダーなどを嗅ぐ。シーンに応じた香りを自ら選択していけばいいと思います」(東原教授)

このときに気をつけたいのは、自分にとって嫌なにおいはストレスになるということだ。例えば私は安眠できる香りとして代表的なラベンダーの香りがあまり好きではないが、それを無理して好きになる必要はないという。東原教授によると「香りの好き嫌いは、胎児期の記憶をはじめ、それまでの経験や、そのときの体調などで個人差がある」という。

大切なことは嗅覚を最大限働かせ、自分にとって心地よい香りを見つけ、味わうこと。鬱々と平坦になりがちな日々を、好きな香りを嗅いで少しでも華やかに彩りたい。

(写真=PIXTA)
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