アパレルや水道事業などを経営する関谷有三氏は、タピオカブームの立役者だ。台湾の老舗タピオカ店「春水堂」の日本上陸を実現させたが、交渉し始めた当初は門前払いにあっていたという。なにが春水堂のオーナーの心を動かしたのか――。(前編/全2回)

※本稿は、関谷有三『なぜ、倒産寸前の水道屋がタピオカブームを仕掛け、アパレルでも売れたのか?』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

タピオカミルクティー
写真=iStock.com/tashka2000
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台湾出張で感動したタピオカミルクティーの美味しさ

台湾を調べてみると凄く興味を持った。台湾の人たちは、とてもやさしい。気候もいい。親日の人が多い。水道の事情も日本に似ている。日系の企業も、たくさん進出している。

水道事業の需要もたくさんありそうだ。気に入って何度も視察のために台湾に行った。行けば行くほど、台湾が好きになっていった。出張から帰国するある日、少し時間があって空港の出国カウンター近くの店で、ある飲み物を口にした。それは、タピオカミルクティー。

台湾の街では、いたるところでタピオカミルクティーが売られている。女性や子どもが好きな甘い飲み物だ。僕はあまり甘いものを口にしない。決して好きではなかった。けれど、空港にある店は、老舗しにせの有名店のようだ。試してみるか。

(美味い!!!!! 上品な甘さだ。何より、お茶の香りがいい)

びっくりするほど感動した。その店は「春水堂」と書いてあった。しゅんすいどう? いや、台湾の読み方だから、チュンスイタンである。

(今度台湾に来た時、本店に行ってみよう)

次回の出張で、早速台中にある春水堂の本店に行ってみた。台中は台北から新幹線で約1時間。台湾第三の都市だ。本店はガイドブックにもよく取り上げられている。外観は風格があって厳かな雰囲気だ。そして、きれいでおしゃれそうな店のなかに入った。

えっ……。