「フライドポテトが1kg195円」というコスパ

神戸物産が全国で展開する食料品店「業務スーパー」が人気です。現在の店舗数は900(2021年1月現在)。「業務スーパー」として営業を開始した2001年は36店舗でしたから、この20年で一気に増えたことがわかります。

2014年6月19日、神戸物産が全国で展開する食料品店「業務スーパー」高円寺店
写真=アフロ
2014年6月19日、神戸物産が全国で展開する食料品店「業務スーパー」高円寺店

わたしも業務スーパーはよく使います。安くてお得で楽しい場所だからです。それではなぜ、そうした高いコストパフォーマンスを実現できているのか。今回の記事は「経済の視点で見た業務スーパーで買うべき商品」を3つの切り口で紹介したいと思います。

1 「業務用のどこがお得か?」という視点

業務スーパーは一般の消費者も買い物ができるスーパーです。ただ、業務スーパーは個人経営に近い小規模の飲食店をターゲットにしています。たとえば1kg195円の冷凍フライドポテトは「業務用のお客さん」に向けた商品でしょう。

わたしの事務所に近い新大久保の業務スーパーでこのフライドポテトを買っていかれるお客さんは、歌舞伎町のスナックでポテトを提供するようなお店の方が多いイメージです。

業務スーパーの商品はざっくりと言えば大手のスーパーの食品と同じ量で価格は3~4割安い。ただ同じ業務用の商品でも業務スーパーで買うともっともっとお得な商品があるのにお気づきですか?

それは一般家庭で使うにはちょっとレアな食材です。

ごまだれ、ふりかけ、甘酢あん…「若干レアな食材」がお得

たとえば業務スーパーで1000g370円で売っているしゃぶしゃぶ用のごまだれは、一般のスーパーでは250g280円ぐらいで売っている商品です。我が家でしゃぶしゃぶを食べる機会はそれほど多くはありません。

ごまだれと胡麻ドレッシングは、材料はよく似ていますが、一般のスーパーでの価格はごまだれのほうが胡麻ドレッシングよりも高い。その理由を経済学的に説明すると、ごまだれのほうが胡麻ドレよりも回転率が悪いからです。つまり一般家庭でそれほど頻繁に使わない食材は一般のスーパーではどうしても高くなります。

一方で業務用のごまだれは一定数の飲食店が買っていきます。そこでごまだれの場合は業務スーパーではかなり割安になる。だから業務スーパーの大容量のしゃぶしゃぶのごまだれは同じ量で比較すれば市販品よりも7割も安いのです。

同じ視点でいえば、500g入りのふりかけ、1リットルの容器に入った甘酢あんなど、一般家庭ではあまり頻繁に使わない食材は、それをよく使う家庭の場合、業務スーパーで買えば7割安いのが当たり前になります。