約束を破る、手続きが遅れる……。外国人の対応は、日本人からすると驚くほど雑だ。しかし、世界各国で働いてきた著述家の谷本真由美氏は「空港でトラブルに遭ったとき、イタリアの航空会社の担当者はその場で勝手に判断して飛行機にお客を乗せた。そしてイライラしたお客にウインクしていた。イタリア人の瞬発力に日本人は負けてしまうだろう」という——。
※本稿は、谷本真由美『日本人が知らない世界標準の働き方』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
日本からの荷物が当たり前のように届かないイタリア
私は海外で働き始めてしばらくの間は日本の人は優秀だと思っていました。お店では腐ったものは売っていない、バスや電車は時間通り、遅刻はしない、言ったことはやってくれます。1と言えば10が達成される。間違いが少ない。日本では安心してものを買ったり、サービスを頼んだりすることが可能です。買ったものは簡単には壊れません。
イタリアで働き始めた頃は、毎日が驚きの連続で、夜中になると「私が一体何をした……」と悩む毎日でした。まず、電気工事やガスのメンテの人が時間通りには来ません。電話会社に電話しても3時間繋がりません(つまり電話を繋げたままずっと待つのです)。日本から送ったものはなくなります。追跡システムがあってもなくなるのです。
届いても荷物は半分空いていて、中からさきいかやCDがなくなっています。大使館はビザの書類をなくします。なぜなくなったのかと聞くと、パソコンに向かって怒鳴ります。事務員はパスポートをなくします。
銀行は担当者に会う予約を入れても、バカンスに行ってしまったりするので、口座の間違いを直すのに2カ月かかります。銀行の口座からはお金が消えます。商店ではお釣りが間違っています。洗濯機はある日突然水漏れします。