毎月、新たに発売されるビジネス書は約500冊。いったいどの本を読めばいいのか。読書家が集まる本の要約サイト「flier(フライヤー)」で、3月にアクセス数の多かったベスト20冊を、同サイトの編集部が紹介する――。
ビデオ会議をしている人たちのイメージ
写真=iStock.com/metamorworks
※写真はイメージです
第1位:『「具体⇄抽象」トレーニング』(細谷功著、PHP研究所)
第2位:『できる上司は会話が9割』(林健太郎著、三笠書房)
第3位:『世界最高の話し方』(岡本純子著、東洋経済新報社)
第4位:『対比思考』(小柴大輔著、ダイヤモンド社)
第5位:『自宅学習の強化書』(葉一著、フォレスト出版)
第6位:『2040年の未来予測』(成毛眞著、日経BP)
第7位:『マッキンゼーが読み解く食と農の未来』(アンドレ・アンドニアン著、川西剛史/山田唯人訳、日経BP 日本経済新聞出版本部)
第8位:『本当の自由を手に入れる お金の大学』(両@リベ大学長著、朝日新聞出版)
第9位:『トヨタの描く未来』(桑原晃弥著、リベラル社)
第10位:『エマニュエル・トッドの思考地図』(エマニュエル・トッド著、大野舞訳、筑摩書房)
第11位:『モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て』(モンテッソーリ教師あきえ著、すばる舎)
第12位:『未来を実装する』(馬田隆明著、英治出版)
第13位:『ハートフルネス』(スティーヴン・マーフィ重松著、島田啓介訳、大和書房)
第14位:『あなたは、あなたなりに生きれば良い。』(加藤諦三著、三笠書房)
第15位:『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(藤吉豊/小川真理子著、日経BP)
第16位:『無敗営業 チーム戦略』(高橋浩一著、日経BP)
第17位:『営業1年目の教科書』(菊原智明著、大和書房)
第18位:『さよならオフィス』(島津翔著、日経BP 日本経済新聞出版本部)
第19位:『シン・ニホン』(安宅和人著、NewsPicksパブリッシング)
第20位:『やめる時間術』(尾石晴(ワーママはる)著、実業之日本社)

※本の要約サイト「flier」の有料会員を対象にした、2021年2月の閲覧数ランキング

「具体」と「抽象」を行き来する思考トレーニング

今月の第1位は、『「具体⇄抽象」トレーニング』でした。

細谷功『「具体⇄抽象」トレーニング』(PHP研究所)
細谷功『「具体⇄抽象」トレーニング』(PHP研究所)

本書は書名の通り、具体化と抽象化を行き来する思考法を学び、その力を鍛えられる一冊です。「具体化」「抽象化」というと少しイメージしづらいかもしれませんが、本書では抽象化を「Whyを問うこと=問題そのものをメタ視点で考えること」、具体化を「Howを問うこと=数字と固有名詞にすること」と言い換えます。ぐっと理解しやすくなるのではないでしょうか。

そのうえで本書は、具体を「個別事象」、抽象を「個別事象の関係性を表現するもの」と定義します。例えば今期の業務目標が「○○の徹底」「○○の強化」といった抽象的なものになっていると、いくらでも逃げ道ができてしまいます。確実なアクションを引き起こすためには、数字と固有名詞を使って具体化することが必要なのです。

本書は、29問の演習問題を通して、「具体⇄抽象」の思考法をトレーニングできるように構成されています。誰も答えを持たない時代だからこそ、本書を読んで思考トレーニングに励んでみてはいかがでしょうか。