※本稿は、平井孝幸『仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。
IT企業に多い「デスクでご飯」は最悪の選択
せっかく摂っているのに、元気がちっとも出ない。そんなランチがあります。「デスクでご飯」です。これは、最悪の選択だと私は思っています。
DeNAもそうですが、IT企業はパソコンだけでも仕事ができますから、1日中デスクにいる人も多い。弁当だけ買いに出たり、人によっては同僚に買ってきてもらって、ずっとパソコンをいじりながら食べていたりする。あるいはカップラーメンを机の下に買い置きしておいて、トイレに行くついでにお湯を入れてきて、お昼に席で食べている、という光景もよく見かけました。私は健康経営を進める上で、このような習慣をどうすれば変えられるかを常々考えていました。
時間短縮になり、それが生産性を落とさないワークスタイルだと思っているようでしたが、そんなことはないのです。むしろ、やがて生産性を下げていくことになる。一見、便利で簡単に見える裏には、不健康が潜んでいるのです。
脳には「仕事をする場所だ」とインプットされている
理由その1:仕事場で食事を摂ると、リラックスできない
なぜデスクでランチは避けたいのか。一つ目の理由は、デスクは仕事の場だと脳が認識していることです。脳は場所で「何をすべきか」を覚えているので、仕事場で食事を摂ると、リラックスできず、緊張感を残します。食べているものの消化にも悪影響を及ぼしかねません。
これは、「ベッドではスマホを触らない」という教えと同じ考え方です。ベッドの上でスマートフォンを使うと、本当はそこは寝る場所なのに、脳に「仕事をする場所だ」とインプットされ、寝付きが悪くなったりするのです。
だから、ランチのときにはデスクから離れたほうがいい。どんなに忙しくても、食事はデスク以外で行うことを勧めています。お店に行かなくてもいいのです。1メートル離れるだけでもいい。
そして席を離れず、気分転換もできないので、メンタルマネジメントも難しい。実際、デスクを離れずランチをしている人の中には、イライラしたり、落ち込んでいる印象の人たちが少なくありません。これでは、パフォーマンスも低下します。