50万円の催促も…義母は「息子の生活費月10万では足りない」
男性が頭を悩ませているのは、息子の生活費として送金してきた毎月10万円に関して義母から「それでは足りない」と催促が来るようになったことでした。何度も50万円を超えるような追加請求があったので断ることもあったそうです。
息子の生活費として渡しているお金が義母の生活費としてアテにされている可能性を疑うこともありますが、義父がかなりの預貯金を残したと聞いており、年金収入もあるはずなので、男性は心の中で「無心されている」という可能性を否定しつつ、「もっと払え」「払えない」というやり取りが続くのでした。
すると業を煮やしたのか、義母はある日、こう言ってきました。
「私は83歳、もう先は長くないわ。死んだあとの土地と建物、貯金は●●(息子)のもの。そうなれば経済的に楽になるのだから、あと少しの間くらい払ってくれてもいいでしょ?」
当人が言ったこととはいえ、人の死を待つのは気が引けますし、義母の遺産で息子の生活費をまかなえるのかどうかは不明です。
そもそも男性は、息子が働かずして日々を送ることをよしとしていませんでした。ずっと息子本人が社会に出て自分で稼ぐことを望み、その方法も探してきました。ところが、義母は「中卒で世間に出すのはかわいそう」と甘い対応で、アルバイトを紹介しても断ってきます。本人に話を取り次いでいないのだろうと男性は想像しています。
男性は、仕事にかまけ、義母とのやり取りが負担で先送りしてきた「息子の生活」に、仕事が下降気味になって自身の老後生活が現実になりつつある今、向き合おうとしています。
数百万円の費用でひきこもり自立支援団体に預ければ……
何か手を打たなければ……。
そんな思いでいたところ、息子のひきこもりを知る知人から自立支援団体の存在を教えられたそうです。聞けば、自立支援の費用は数百万円。高額ですが、それで社会に出られるのなら、良い買い物かもしれないと考えつつ、息子と自分の生活を成り立たせることがどこまでできるのか試算してほしいとのことでした。
この数カ月間の収入や支出の状況を伺い、貯蓄残高のシミュレーションを行ったものがこのグラフです。
男性はすぐにでも息子に帰ってきてもらいたいと思いつつ、20年近く会っていない息子と暮らす自信は持てずにいます。
なぜ、自分と会おうとしなくなったのか。
自分のどこがいけなかったのか。
母親の死がまだ癒えないのか。
親に見放されたと思ったか。
思春期をこじらせただけなのか。
あれこれ思いを巡らしましたが、結局、何もわかりません。息子に尋ねることもできません。ドアの前に立たなくなってからも15年ほどになります。返事をもらえるとは思えませんし、返事があるとしても、もはや聞く勇気はないようです。