どんなビジネスなら儲かるのか。東大在学中に起業し、現在年商10億円の企業を経営する事業家bot氏は「消費者に商品を売るビジネスよりも、ブックオフのような消費者から買うビジネスのほうが圧倒的に儲かる。特にこれから儲かるのは、肉体労働者の労働力を買う人材派遣業だ」という――。

※本稿は、事業家bot『金儲けのレシピ』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。

ブックオフ(東京都新宿区新宿)=2008年5月26日
写真=時事通信フォト
ブックオフ(東京都新宿区新宿)=2008年5月26日

消費者に売るビジネスと消費者から“買う”ビジネス

一般的に「商売」としてイメージされるのは、スーパーマーケットや飲食店のような、「消費者に売る」ビジネスである。一方で、バイクの買い取りの「バイク王」や、「ブックオフ」、質屋のように、「消費者から買う」ビジネスも存在する。

この二種類のビジネスを比較したときに、「消費者から買う」ビジネスのほうが圧倒的に事業構造がいい。

何故ならば、消費者というのは文字通り“消費”者なので、消費のプロフェッショナルなのである。10円安い卵を求めて、1キロ離れたスーパーに行く主婦、というのも決して珍しい存在ではないことからもそのことがわかるだろう。価格感応度が高いのである。

一方で、消費者が「売る」ときはプロフェッショナルではない。実際、ブックオフに本を持っていき、「全部1円です」と言われても、持ち帰るのが面倒なので全て売ってしまう人間がほとんどである。

消費者が「売る」ときは、売却の一回性が働くので、価格相場に詳しくなりようがない。一方、買取業者側は複数回の取引をしているので、相場観を理解しているわけである。