1995年、野茂英雄が米メジャーリーグ(MLB)に挑戦し大旋風を巻き起こしてから25年。歴代の日本人選手で最も活躍したのは誰か。スポーツライターの相沢光一さんが戦績データを分析した結果、判明した「実働年数」トップ3、「登板数」トップの意外な投手、「ワールドシリーズ出場して優勝」した4選手、そして都道府県別・出身高校別のMLB輩出数の順位とは——。
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NOMOのメジャー挑戦から25年、日本人MLB選手60人を総括

12月8日、巨人が菅野智之投手のポスティング申請を行った。アメリカのMLB各球団には「菅野は契約可能な選手」という通知が行き、これから入団交渉が始まることになる。いうまでもなく菅野は今の日本球界を代表する投手。ニューヨーク・ヤンキースをはじめ5~6球団が獲得に動くといわれている。菅野にとって夢だったMLBでのプレーが現実のものになろうとしているのだ。

今オフは他にも数多くの選手がMLB挑戦に名乗りを上げている。西川遥輝外野手・有原航平投手(以上、日本ハム)、石川歩投手・澤村拓一投手(以上、ロッテ)、山崎康晃投手(DeNA)らだ。MLB各球団も新型コロナ禍の影響を少なからず受けており、例年のような補強はしないとも言われている。彼らが順調に契約できるとは限らないが、より高いレベルでプレーしたいというトップクラスの選手の熱意は変わらないようだ。

このMLB挑戦の道を切り開いたのが野茂英雄投手である。

1995年、ロサンゼルス・ドジャースに入団して13勝6敗、防御率2.54、奪三振236(この年の最多)を記録。日本人でもMLBで通用することを証明した。野茂以前にも村上雅則投手がメジャーでプレーしたことはあったが(1964年から2年)、MLBサイドの日本人選手に対する評価が高まり、挑戦しやすい環境になったのが、この年からだ。

投手43人、野手16人、そして二刀流の大谷翔平

それから四半世紀が経った。この節目に改めて、MLBに挑戦した日本人選手をデータで振り返ってみた。

この25年間でMLBの球団と契約し、プレーした日本人選手は60人にのぼる。投手43人、野手16人と投手・野手のどちらもこなす二刀流の大谷翔平だ。

挑戦者はこれほどの数になっているが、野球強国の実力者が成功を目指して集まるMLB。その厳しい生存競争に勝ち残って好成績を残せる選手は数少ない。