いまや3人に1人ががんにかかる時代だ。いざ自分が、家族ががんになったら──。3組の夫婦から生きることの喜びを学ぶ。
夫の強さんが3回目の抗がん剤治療を決意したとき、「苦しみは本人にしかわかりません。その本人が『やろう』というのですから納得しました」と振り返る妻の加代子さん。
いのちのクルマのことを樋口さんは「バックギアの付いていない車」ともいう。いったん走り始めると、二度と後戻りができなくなるからだ。
「がんの正しい情報がほしいと多くの人がいいます。しかし、本当に正しい情報など存在するんでしょうか。セカンドオピニオンは確かにあったほうがいい。でも、それがすべてではない。人は情報が多いほど迷います。情報をほしがるのは、『あのとき先生がもっといってくれれば、判断を間違わなかったのに……』というエクスキューズを用意しておこうと潜在意識が働いているからではないでしょうか」
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