百貨店各社が岐路に立たされている。復活の見込みはあるのか。経済アナリストの馬渕磨理子氏は「百貨店大手4社の“余命”を試算したが、あまり時間は残っていない。早期の変革が求められる」という——。
カラフルなショッピングバッグをたくさん持つ女性
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百貨店の売上高はコロナ以前の7~8割

「小売りの王様」として君臨してきた百貨店が岐路に立たされています。百貨店の販売額は約30年前に比べて半減。地方に加えて主要都市でも閉店ラッシュが続いています。インバウンド需要で一息ついていましたが、コロナ危機でそれらも剝がれ落ちてしまいました。

日本百貨店協会のデータによると、4月の業界の売上高総額は前年同期72.8%減、5月は同65.6%減と緊急事態宣言の影響下で売上高が大幅に落ち込みました。この9月は同33.6%減と持ち直しましたが、それでも各社はコロナ前の7~8割程度の売上高です。

これから最も消費が伸びる年末・年始商戦の時期に突入しますが、今年は例年のような売り上げは期待できそうにありません。今後も7割経済が続くとすれば、百貨店各社の手元の現預金はいつまで持つのでしょうか。本稿では、百貨店大手4社の現状の赤字額と現預金から、耐えうる体力を試算しました。