マンションは中古と新築にはこだわらない

——ということは、せめて新築を選ぶべきでしょうか?

マンションに限っていえば、中古か新築かには一切こだわらないでいいでしょう。立地条件がよくて、かつ管理体制がしっかりした物件であれば、中古でも十分使えるものがあります。

新築マンションのほうが、内装の設備が最新式であるといった利点はありますが、建ぺい率(敷地面積に対して許されている建築面積の割合)ギリギリいっぱいに造られていることが多い点は少し注意が必要です。そのような物件は、ゴミ出しのときに雨に濡れる構造になっていたり、急な階段がついていたりすることもあります。

その点、むしろ古いマンションのほうが、敷地の使い方が全体にゆとりがあって、共有部分も広かったりして、いろいろ使い勝手がいいことも多いんです。

マンションを買うなら立地を重視

西園寺さんの年齢なら、ゴミ出しのときに急階段があってもまったく気にならないでしょうけれど、ずっと住み続けるかもしれないと考えると、高齢者にとって生活しづらい点がないか、ということも考えたほうがいいでしょうね。

なお、戸建て住宅に関しては、先ほども言ったように、非常に寿命が短いために、そもそも中古市場に流通するに値する物件がありません。住宅市場に占める中古の割合は2割程度しかなく、ほとんどが新築で占められています。これがアメリカやイギリスだとまったく逆で、新築は1〜2割で、8割以上が中古物件です。つまり、住宅の寿命にそれだけ差があるということです。

最も重視すべきは好立地で駅近という条件

——できるだけ長く資産価値を維持できるマンションの選び方を、もう少し詳しく教えてもらえませんか?

一般に住まい選びの基準というと、広さ、間取り、立地の3つになりますが、最も重視すべきは立地です。利便性の高い地域にあって、最寄り駅から近いのがまず絶対条件です。好立地で駅近という条件さえクリアしていれば、少々狭かったり、使い勝手がよくない間取りだったとしても、そうした欠点をカバーできます。

リモートワークが増えてきたとはいえ、まだまだ都心に通わなければならない人も多いわけですから、たとえ広々とゆとりある間取りで内装などが立派でも、長時間の通勤を強いられる環境にある物件は敬遠されますね。最寄り駅までバスを使わないといけないとか、急な上り坂の上に立っているような物件も、なかなか買い手がつかないことが多いです。

まとめ
□資産価値が下がらない家が手に入るなら、賃貸より持ち家のほうがお得。
□資産価値という点では、戸建てよりマンションを選ぶべき。
□マンション選びで最も重視すべきは「立地」。利便性が高い地域にあって、最寄り駅に近いのが絶対条件。かつ管理体制が良好な物件がよい。
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