お金で苦労しないように貯金をしていくにはどうすればいのか。新卒6年目、年収約330万円の独身女性・西園寺花子さんが、経済評論家の加谷珪一さんに相談したところ——。(第3回/全3回)
※本稿は、加谷珪一『お金で絶対に苦労しない方法を教えてください!』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
普通のサラリーマンが十数億円の資産を築けたワケ
ちょっと古い話をしましょうか。明治時代の学者で、東京の日比谷公園を設計した本多静六さんという方がいます。この方は帝国大学の教授をしながら、今に換算すると十数億円の資産を築いて、お金に関する本もたくさん書いてベストセラー作家にもなった人です。近ごろはたくさんのマネー本が出ていますが(まあ、本書もその一冊ですが)、そんなマネー本の先駆者といってもいい方です。
帝国大学の教授といっても、要はサラリーマンですから、特別に年収が高かったわけではありません。ではなぜ、十数億円もの資産を築けたのか。それは給料の3割を強制的に引き落として貯蓄に回し、そのほぼ全額を投資に回していたからです。これがお金を貯める基本的な法則で、もう100年以上前から変わってないんですよ。
——給料の3割もですか。私、気づいたら預金残高ゼロって言いましたよね。3割も貯金に回せるはずないじゃないですか。
「気づいたらゼロ」って、自分で下ろしてるから貯金が減るわけでしょう。ほかの誰かがこっそり使ってしまうわけではないんですから。手持ちのお金が減るたびに、「あ、現金なくなっちゃった。ATM行かなきゃ」なんて具合に下ろしていたら、給料がいくらあっても貯まりませんよ。
どうすればいいかというと、給料の一定割合、2割なり3割なりを、あらかじめ下ろせない仕組みにするんです。いわば強制的に「天引き」してしまうわけです。