「欲しいもの」ではなく「必要なもの」にお金を使う

——まあ、たしかに数値目標があるのはよさそうですが……。でも月々3万6000円なんて、どう考えてもムリですよ。私の場合、いったいどこをどう削ればそんなお金を捻出できるのか、具体的に教えてください。

例えば、先月のいちばん大きな出費は何でしたか?

——何に、って急に言われても覚えていませんが、いろいろ何かと必要なんです。

先ほども言いましたが、大事なことですから何度でも言いますよ。お金と仲良くするには、「欲しいもの」ではなく「必要なもの」に使うのが鉄則です。部屋や鞄の中をよく見て、最近買ったもののなかで、本当に必要だったと思えるものはいくつありますか? できれば買ったものをリスト化して、少したってから見直すことを習慣づけられるといいですね。そうすると、本当に必要なものを見極める選択眼が磨かれていきます。

子供と一緒にマスクを着用し、スーパーで買い物する女性
写真=iStock.com/JGalione
※写真はイメージです

少し極端に言うと、100円ショップでの買い物でも、15分悩み抜いて必要性を見極めるぐらいになると、お金が貯まりやすくなります。「わっ、カワイイ!」なんて脊髄反射でバーンと買っちゃう習慣を変えないと、なかなか貯まりませんからね。

節約が苦手な人は「どんぶり勘定法」で管理する

——買ったもののリスト化ってことは、つまりマメに家計簿をつけないとダメなんですか? 家計簿なんて始める前から挫折してしまいそうです……。細々こまごました節約が苦手な人にもできるような、とっておきの節約法はありませんか?

いえいえ、いわゆる家計簿なんて必要ありませんよ。むしろ「どんぶり勘定」でいいんです。細かいことをやろうとしても、西園寺さんに限らず、どうせ挫折してしまいますから。私だって面倒は嫌いですから、家計簿はつけていません。

細かいことは放っておいていい代わり、大口の出費だけ洗い出してみませんか? 毎月どんなものにいくら出費しているのか、ということだけは、きちんと把握しておきましょう。節約が苦手な人でも取り組みやすいのは、実は大きな支出、特に固定費を抑えることなんです。

例えば、ランチ代をちょっとずつ削ろうとする人がいますが、それだと毎日やらないといけないから実は大変なんですよ。それで抑えられる額って、せいぜい月に5000円程度じゃないでしょうか。それよりも、大口の固定費を変えれば、たった1回で済みますからラクなんですよ。

まとめ
□毎月の給料の2割を強制的に貯金する。
□銀行口座を2つもち、日常的な生活費用の口座と、貯蓄用の口座を分ける。
□細々とした支出を絞るより、大きな支出、特に固定費を抑える。
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