「欲しいもの」ではなく「必要なもの」にお金を使う
——まあ、たしかに数値目標があるのはよさそうですが……。でも月々3万6000円なんて、どう考えてもムリですよ。私の場合、いったいどこをどう削ればそんなお金を捻出できるのか、具体的に教えてください。
例えば、先月のいちばん大きな出費は何でしたか?
——何に、って急に言われても覚えていませんが、いろいろ何かと必要なんです。
先ほども言いましたが、大事なことですから何度でも言いますよ。お金と仲良くするには、「欲しいもの」ではなく「必要なもの」に使うのが鉄則です。部屋や鞄の中をよく見て、最近買ったもののなかで、本当に必要だったと思えるものはいくつありますか? できれば買ったものをリスト化して、少したってから見直すことを習慣づけられるといいですね。そうすると、本当に必要なものを見極める選択眼が磨かれていきます。
少し極端に言うと、100円ショップでの買い物でも、15分悩み抜いて必要性を見極めるぐらいになると、お金が貯まりやすくなります。「わっ、カワイイ!」なんて脊髄反射でバーンと買っちゃう習慣を変えないと、なかなか貯まりませんからね。
節約が苦手な人は「どんぶり勘定法」で管理する
——買ったもののリスト化ってことは、つまりマメに家計簿をつけないとダメなんですか? 家計簿なんて始める前から挫折してしまいそうです……。細々した節約が苦手な人にもできるような、とっておきの節約法はありませんか?
いえいえ、いわゆる家計簿なんて必要ありませんよ。むしろ「どんぶり勘定」でいいんです。細かいことをやろうとしても、西園寺さんに限らず、どうせ挫折してしまいますから。私だって面倒は嫌いですから、家計簿はつけていません。
細かいことは放っておいていい代わり、大口の出費だけ洗い出してみませんか? 毎月どんなものにいくら出費しているのか、ということだけは、きちんと把握しておきましょう。節約が苦手な人でも取り組みやすいのは、実は大きな支出、特に固定費を抑えることなんです。
例えば、ランチ代をちょっとずつ削ろうとする人がいますが、それだと毎日やらないといけないから実は大変なんですよ。それで抑えられる額って、せいぜい月に5000円程度じゃないでしょうか。それよりも、大口の固定費を変えれば、たった1回で済みますからラクなんですよ。
□毎月の給料の2割を強制的に貯金する。
□銀行口座を2つもち、日常的な生活費用の口座と、貯蓄用の口座を分ける。
□細々とした支出を絞るより、大きな支出、特に固定費を抑える。