お金持ちはなぜお金持ちになれたのか。青山学院大学大学院で会計学を教える榊原正幸教授は、「明治・昭和時代に“蓄財の神様”と呼ばれた本多静六さんの教えを学ぶべき。月給の25%を貯金、株や不動産や底値で買う、など現代にも通じる法則がある」という――。
*本稿は、榊原正幸『現役大学教授が教える「お金の増やし方」の教科書』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
今こそ見習うべき「蓄財の神様」のお金持ちになる法則
住まいについては、一家の主であれば一度は検討する人生の課題です。自宅用のマンションでも一戸建てでもいいので、以下では「自宅用の居住用財産」と書きます。
世の中には「自宅用の居住用財産なんか買わないほうがいい」という「賃貸派」も一定数はいますし、最近の風潮では「所有から使用へ。シェアリング・エコノミー」ということで、この賃貸派が増えていますが、「自宅用の居住用財産なんか買わなければいい!」といってしまうと話が終わってしまうので、ここでは賃貸派ではなく、「購入派」を前提に考えていきます。
このことに関する結論を述べる前に、「本多静六式蓄財法」について、ご紹介したいと思います。
本多静六氏(1866-1952)は明治から昭和にかけて活躍した林学者です。東京帝国大学の教授を務め上げるかたわらで、株式投資と不動産投資で巨万の富を築き上げた「日本の蓄財の神様」です。定年時には現在の価値でいうと数十億円規模の財産を築き上げながら、そのほぼ全財産を教育関係や公共の関係機関に寄付したという奇特な名士です。
その本多静六氏が「蓄財の秘訣」を伝授してくださっています。それは、簡潔にまとめると次のようなものです。
「定期的な収入の4分の1と臨時的な収入の全額を蓄財しなさい。そして、底値になった株または不動産に投資しなさい」
たったこれだけで、本多静六氏は莫大な財産を築き上げたのです。