年末調整には見落としがちな控除がいくつかある。元国税調査官で税理士・産業カウンセラーの飯田真弓氏は、「例えば親に仕送りをしている場合、離れて暮らしていても扶養親族に含めることができる」という――。
一万円札
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今年の申告書は前年とフォーマットが違う

早いもので2020年も残り約2カ月となった。サラリーマンには年末行事として年末調整がある。年末調整を受けるためには、各自で申告書を作成し提出しなければならない。“毎年のことだから、前の年の申告書を見ながら、同じ箇所を埋めていけばいいんだよね!”と、たかをくくっていてはいけない。

なぜなら、令和2年からは所得税のルールが大幅に変わり、記載する書類も大きく変わることになったからだ。ネットで「年末調整2020」と検索してみると、国税庁の「年末調整がよくわかるページ」というサイトがヒットする。

“よくわかるページ”とうたっているだけあって、このページは年末調整について網羅されている。給与担当の方ならじっくり読み込むことも必要だと思うが、サラリーマンの方が知りたいと思っている情報は一人ひとり違うだろう。

今回は、この国税庁のHPを横目に見ながら、サラリーマンの方が押さえておきたい年末調整の際の所得控除について考えてみたいと思う。

年末調整がよくわかるページ」をスクロールしていくと、「給与所得者向けリーフレット」という項目にたどり着く。その中の「各種控除について(年末調整では、勤務先に「各種申告書」を提出することで、いろいろな控除が受けられます)(給与所得者用)」というPDFに、所得控除についてまとめられている。

各種控除について(年末調整では、勤務先に「各種申告書」を提出することで、いろいろな控除が受けられます)(給与所得者用)
出典=国税庁