米国公認会計士の午堂登紀雄さんが、周囲の富裕層やご自身の経験から、逆境に強い人のマインドを分析。彼ら・彼女たちが、置かれた環境が不利すぎるときでも、上司が無能すぎるときでも、全然悩まない理由とは――。
「他人のせい」にするのをやめる
逆境にぶつかったときに心が折れることなく前に進める人は、何が違うのでしょうか。私自身が周囲の富裕層から学んだマインドをご紹介します。
強いメンタルをもっている人は、「人生はすべて自己責任である」という前提で生きています。そもそも他人や会社や政府や社会のせいにしたこところで、その人たちが何かしてくれるわけではありません。むしろ期待し依存したら、期待とは違ったとき、裏切られたときに腹が立つでしょう。それに、自分の人生が自分で変えられないとしたら、希望が持てないですよね。
もちろん、思いがけず病気になったり、あるいは車で後ろから追突されたり、暴漢に襲われたりということまで自己責任だと言うわけではありません。
病気・事件・事故など、やむを得ない事情は別として、どんなことが起こっても、自分の状況はすべて自分の責任であるという認識を持つことです。
たとえば、会社が激務でしんどいという人でも、履歴書を送って面接を受け、そこに入社を決めたのは本人。誰かが勝手に自分の履歴書を送ったわけでも、代理で面接を受けてくれたわけでもない。
だから、もちろん辞めるのも本人の自由、転職するのも本人の自由。誰も止めることはできない。
つまり目の前の出来事も状況も、本人が自由に選んだ結果であり、未来も自由に選べるのです。