清廉な姿勢が良い結果を呼び寄せる
成功して当然、失敗したら一気に評判を落とすというリスクの中、バフェットは暫定会長として「会社のために働いて損害を出すのは理解できます。しかし、会社の評判を少しでも損ねたら容赦しません」という姿勢で関係者を素早く断罪したのち、アメリカ議会の公聴会にも出席、正直で誠実な答弁によって同社を危機から救っただけでなく、自らの評判も高めています。
お金がすべてのウォール街にあって「1ドル」の報酬で働き、「コカ・コーラとサンドイッチ」を愛するバフェットの清廉な姿勢が、良い結果をもたらすことになったのです。
信用を築くには長い時間がかかりますが、その信用も問題を起こせばほんの5分で崩壊します。バフェットはソロモン・ブラザーズの危機を見事に乗り越えたことで「オマハの賢人」と呼ばれるその評価を絶対的なものとしたのです。
1986年に『フォーブス400』のベスト10に入って以来、バフェットは今日までその座を守り続けています。投資家にして「尊敬される」という稀有な存在、それがウォーレン・バフェットなのです。