11歳で早くも学んだ「株式投資の基本」
そんなバフェットが初めて株式投資を行ったのは11歳の時でした。6歳でチューインガムやコカ・コーラを売って手にした120ドルを元手に株を買い、わずか数ドルの儲けを手にしますが、この時、バフェットが学んだのが「買った時の株価ばかりに拘泥してはならない」「慌てて小さな利益を得ようとしてはいけない」というものでした。
やがて「生涯の師」ともいえるベンジャミン・グレアムに出会ったバフェットはグレアムの会社で働いたのち、当時としては珍しい田舎町オマハで、株式投資のみで生計を立てる自営業者の道を選びます。
自分が本当に理解できる事業にのみ投資する
バフェットの投資哲学は、①短期の売買などせずすぐれた株をまずまずの価格で買って長期保有する、②株価に一喜一憂せず事業の中身に注目する、③分散投資ではなく、すぐれた企業に集中投資する、④自分が本当に理解できる事業に投資する――など、ウォール街的な考え方とは一線を画するものでした。
なかでも「自分が本当に理解できる事業にのみ投資する」という「能力の輪」に対するこだわりは強く、かつてはインテルの創業期に投資をするチャンスがありながら次のような考えから投資を断っています。そのとき、バフェットはこう言いました。
「来年一年、すべての時間をテクノロジーの勉強に費やしても、私はその分野における100番目や1000番目、いや1万番目に優秀なアナリストにもなれないでしょう」
投資をするのなら自分がよく分かる企業でなければならないと考えるバフェットにとって、かつてのインテルも、その後のアップル(現在は大株主)もグーグルも、決して投資する対象とはなりませんでした。