株式投資をするにはどんな企業を選べばいいか。農林中金バリューインベストメンツ最高投資責任者の奥野一成氏は「短期的な株価の動きに一喜一憂する必要はない。3つの要素を満たした伸びる企業の株を買い、ずっと持ち続けるのが一番いい」という――。
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コロナ禍でも動じない投資先の選び方

新型コロナウイルスを契機に新規証券口座開設が増加し、iDeCo(個人型確定拠出年金)口座も160万口座を突破するなど、老後2000万円問題とあいまって、投資や投資信託に対する国民の興味が高まっています。

投資になじみのない多くの日本人に豊かになってもらいたいという強い想いで著書『教養としての投資』を執筆した私にとっては、きっかけはどうあれ、非常に望ましい動きだと思っています。

とはいえ、みなさまの中には保有している株式がコロナを機に大幅に下落したり、逆にコロナショック直後に買った株が2倍に跳ね上がったりして、悲喜こもごもだと思います。11月には米国大統領選なども控え、投資を始めたのはいいものの、枕を高くして眠れない方も多いのではないでしょうか。

そんな方々におススメなのが、「人間の生活に不可欠な企業」の株式をずっと持ち続ける投資手法です。米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏もその手法で長期的に素晴らしい成績を残しています。

これは、株式投資をその企業の「オーナーになる」行為と捉える発想です。

より具体的に言うなら、「アマゾン株を買う」という行為は、世界の小売業界を席巻しようとしているアマゾン社のオーナーになるということなのです。さらに突っ込んだ言い方をするなら、オーナーになるということはアマゾン社のジェフ・ベゾスCEOを部下にすることなのです。