お金があれば将来は安泰なのか。作家で経営コンサルタントの矢内東紀氏は「お金を持っていようと持っていまいと、精神的に満たされている人は豊かだ。だからこそ、無意味な『通帳の数字を増やすゲーム』は今すぐやめるべきだ」という――。
お金がなくてもできる「生きるため」の投資とは?
「もう命を削って働くのに疲れてしまった」という相談が私のところにはよく来ます。「起業する能力も勇気もないです」とか、「身体を壊してしまったんです」とか。
いろいろな意味で、“ふつうに生きる”のが大変な時代です。しかし、ふつうでなくても我々は生きていかなければいけません。働く以外の方法で少しでも生活を楽にしていくしかないのです。たとえば、投資をするとか。
「いま生きるためのお金も足りないのに、投資なんてする余裕ないし、失敗したら一文無しになる」という人もいるでしょう。たしかに、何も考えずに投資の世界へ突っ込んでいくのは、裸で地雷原を突っ走るようなものなのでオススメしません。それは死ににいくのと同じです。
何のために投資をするのかというと、死なないために、生きていくために投資をするんですよね。ただ、単純に当たれば儲け、外れれば負け、というのはバクチと同じなので、何回かやると必ず負けることになります。大金持ちならば多少負けても、勝つまでやれば取り返すチャンスがありますが、我々にそんなタネ銭はないので、一度大コケしたら再起不能になってしまいます。
ただ、ちょっとした工夫をすることによって、できるだけ負けない、できるだけ死なない投資をすることはできるのです。