株式市場「9月の変」

9月に入り、米国のハイテク株の上昇を背景に一本調子で上げてきた株式市場に変調が現れてきた。9月8日にはテスラ株が21%下げ、最高値の更新を続けてきたナスダック総合指数も急落し1割下げた。

8月の上昇相場に強気だった市場関係者や投資家たちにも疑念が広がっている。8月上昇分の「調整」だとする向きもあるが、これは「異変」と見るべきであろう。

ハイテク企業はコロナ禍でも業績を伸ばせると資金が集まっていたが、世界的に実体経済が急降下を続ける中で、株式市場だけが3月の暴落から上昇を続けていることに多くの人が疑問を抱いていた。

1万円札が空に舞っている
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そうしたところ、株価上昇の背景として「個別株オプション」の取引が積み上がっていたことも明らかになった。その代表例の1つが、先ごろ巨額のオプション取引の事実が明らかになったソフトバンクグループ(SBG)だ。また、「ロビンフッド」をはじめとする投資アプリが若者を中心に個人投資家の資金を集め、こうした初心者の資金が知識もないままにオプション取引に流れているという報道もある。

いずれにしても、経済成長や企業の業績向上を背景にしての株高ではない動きを示していることは確かで、「何か」が起これば、たちまち「風」は変わる、と見るべきだ。

ゴールドは「調整期間」か?

一方、コロナショックを受けた各国の例を見ない資金供給による「野放図」な金融緩和と、今後の世界経済の先行きへの疑念から、安全資産として世界的な注目度が高まってきた金(ゴールド)は、8月7日に2072.50ドルの史上最高値を付けた後は、やや値を下げた水準で、価格を上げたり下げたりと調整的な動きが続いている。

8月12日には一時1863.66ドルまで下落するなどしたことから、もともとゴールドに懐疑的な日本のマーケット関係者は、金投資に否定的なコメントをし始めた。

だが、高値を付けた後にはこのような値動きになることが少なくない。

7月中旬に1800ドルを超えてからの上昇スピードが速すぎたこともあり、現在の値動きはスピードを調整のための期間であろう。事実、最高値から下げても下落トレンドに入ることなく、9月12日現在も1940ドル台を維持しており、これは「次の動きをうかがう展開」にあると見るべきだ。