これからは夫婦で成果を上げていく

夫婦で互いに働き方を柔軟に変えられるようになれば、キャリア設計の面でも大きなメリットがあります。どちらかが学び直すことも、どちらかが生き方を見直すことも、これまでより大胆に挑戦できるようになるのではないでしょうか。

私自身の話をすると、実はわが家は夫婦でリモートワーカーです。

もともと妻はアパレル会社で働いていて、育休後に復帰したのですが、子どもが保育園に行き始めると毎週のように風邪を引いたり体調を崩したりすることが多く、なかなか仕事自体に行くことができませんでした。

そのとき私は、すでにリモートワークをしていたので、「二人ともリモートワークで働くことで、なんとかできるのではないか?」となり、キャスターに入社することになりました。

事務職の経験がなかった妻ですが、リモートワークという働き方にチャレンジすることで、新しいキャリアを築いていっています。

「遠くを見ずに足元を見る、目線を下げる」

人生100年時代と言われる今は、変化に対応しながらキャリアチェンジに挑んでいくことが求められる時代。その中で、「学び直し」ができる環境を持っていることは、大きな武器となります。

企業が変化を余儀なくされているように、個人のキャリアも一直線上では描けない時代となりました。

石倉秀明『会社には行かない──6年やってわかった普通の人こそ評価されるリモートワークという働き方』CCCメディアハウス
石倉秀明『会社には行かない 6年やってわかった普通の人こそ評価されるリモートワークという働き方』CCCメディアハウス

私はキャリア相談を受ける機会も多いのですが、そのたびに「遠くを見ずに足元を見る、目線を下げる」ことをアドバイスしています。変化が少ない時代なら遠い将来まで見通せるかもしれませんが、今はそうではありません。

変化に強い人とは、どんなお題であれ、自分に課されたミッションに応え続けられる人。求められるものが変わり続けるのであれば、先を見通そうとするのではなく、目の前のことをやり続けるしかない。

何が求められるようになるかはわかりませんが、求められたことには1つひとつ対応していく。そうして、あとから振り返ったときに「ああ、自分は変化できていたんだ」と実感できる──。

それが「遠くを見ずに足元を見る、目線を下げる」。これからのキャリアの築き方だと思っています。

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