五輪を開催できても、効果は限定的だ
そうした経済の崩壊が進む中で、いくらオリンピックを開催できたとしても、効果は限定的とみていいだろう。
東京をGo To トラベルの対象に加えるなど、政府は経済活動の再開を優先した政策に舵を切っている。ひとえに死者数が増えていないことが背景にあるが、インフルエンザなど感染症が広がりやすい秋から冬にかけて、新型コロナの感染者・死者がこのままの水準で推移するかどうか。
人の動きが活発になることで、再び感染者や死者が増え始めることになれば、一気に経済活動を自粛する動きが広がる可能性もある。そうなれば、いくらオリンピックが開かれても経済が盛り上げるどころの話ではなくなる。
今後、企業のリストラで失業する人が増えることになれば、そうした人たちを支援するための助成金の拡充や経済対策が不可欠になる。オリンピックの開催に向けて大盤振る舞いしてしまったツケを、今後、国民は払わされることになる。