「全体最適」を育む月曜日の議論
住友化学社長 廣瀬 博●ひろせ・ひろし
1944年、岡山県生まれ。67年神戸大学経営学部経営学科卒業、住友化学工業(現・住友化学)入社。94年総務部長、2001年取締役、03年執行役員、04年常務執行役員、06年取締役常務執行役員、07年取締役専務執行役員、08年副社長。09年4月より現職。
1944年、岡山県生まれ。67年神戸大学経営学部経営学科卒業、住友化学工業(現・住友化学)入社。94年総務部長、2001年取締役、03年執行役員、04年常務執行役員、06年取締役常務執行役員、07年取締役専務執行役員、08年副社長。09年4月より現職。
1980年代初め、第二次石油危機による原油価格の高騰と需要の減退で、世界経済は大きく揺れた。化学業界も、その痛撃から免れることはなかった。82年と83年、住友化学は2年連続で無配に陥る。社員の給与はカットされ、株主総会もざわめいた。続いて84年春、構想の立案から10年を越えたシンガポール石油化学コンビナートが、ようやく操業を開始した。だが、業績の回復に、すぐにはつながらない。
当時、総務部で広報担当の課長。40歳を迎える年だった。毎週末、自宅でリポートを書き続ける。組織論に始まり、広報のあり方や環境問題への対応、地震や事故が発生したときの危機管理、地域社会との共存など。所属していた総務部関連の問題が中心だったが、すべてに貫いていたのは、「会社のあるべき姿」への模索。たとえ本社の管理部門ではあっても、会社の立て直しに貢献できることはあるはずだ。そう確信して、鉛筆を手にした。
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