英語が話せない、体重が減らない、仕事が遅い。そうした「自分には何かが足りない」という考の完璧主義者は、人生を損している。ライフコーチの、マリー・フォーレオ氏は「完璧主義はあなたを破滅させる毒ヘビである。」と警鐘を鳴らす——。

※本稿は、マリー・フォーレオ著、瀧下哉代翻訳『あなたの才能を引き出すレッスン』(KADOKAWA)を再編集したものです。

暗い部屋に座り、落ち込む女性
写真=iStock.com/spukkato
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「ほとんどビョーキ」と言われるほどの妙なこだわり

私は、ちょっと変わり者です。妙なこだわりともいえる高い基準を持っています。

パスタソースは最低12時間弱火でコトコト煮なければならない。美的理由からソファー用のクッションを空手チョップする(バカにする前に試してみて)。布製のテーブルナプキンは、決まったやり方でぴったり同じように折りたたむ……。

私の会社のクリエイティブ・ディレクターと私は、「二人ともほとんどビョーキ」と笑います。というのも、ほぼ非の打ち所がないデザインのプロジェクトで、ピクセルが1個だけずれているのに気付くのは、大抵は私たち二人だけだからです。「マジで、こんなに明らかな見落としに他に誰も気付かなかったの?」。

だから私にはわかります。何かをピシーーーッと整えるまで磨き、微調整し、洗練し続けたいという、根源的な衝動が。

ただし、正気を保つための重要な区別を理解するようになりました。高い基準を持ち、自分自身を高水準に保つことと、完璧主義とは違います。確かに、両者には関連がありますが、前者のほうが健全で意欲を引き出します。後者はよくいっても機能障害、最悪の場合は致命的です。