「夢」をかなえられるのは才能のある人だけなのだろうか。米国で人気のライフコーチのマリー・フォーレオ氏は、「夢をかなえたいなら、その夢を書き出すことだ。それだけで達成の確率は42%も上がる」という――。

※本稿は、マリー・フォーレオ(著)、瀧下哉代(翻訳)『あなたの才能を引き出すレッスン』(KADOKAWA)を再編集したものです。

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騒がしいカフェの雑音を無視できるのは「RAS」のおかげ

何かの考えに取り憑かれている時には、見るものすべてがそれ一色になり、匂いさえもかげるのだ。――トーマス・マン(ドイツの小説家)

突然ですが、もし、24時間年中無休であなたを導きサポートする、神経学的な魔法の精霊があなたについていると私がいったら、どう思いますか? ――自分の望みをハッキリと具体的に言い表すと、脳の持つ能力がフル回転し、望みを手に入れる方法を突き止める上で大いに役立ちます。その仕組みについて述べましょう。

毎日毎秒、無数の情報が脳に降り注いでいます。当然、脳はそのすべてを意識的に処理するわけではありませんが、絶え間なく大量のデータが押し寄せてくるのに、脳がショートすることはありません。なぜでしょう? どの情報を受け入れ、何を無視するべきか、脳はどのように判断するのでしょう?

その答えの一つは、網様体賦活系(RAS/Reticular Activating System)という複雑な神経回路網にあります。RASの重要な機能の一つとして、情報の中から関心のある物事を取捨選択するフィルターとしての役目があります。入ってくるデータを自動的にふるいにかけて選り分け、不必要なものを意識から除去し、重要なものだけを残します。

騒がしいカフェの雑音を無視できるのも、それでいて自分の名前が呼ばれたとたんにパッと反応できるのも、RASの働きです。それまで「ドライ・ブラッシング」なんて聞いたことも興味を持ったこともなかったのに、友達の肌が見違えるようになった秘密はそれだと知ったとたん、ドライ・ブラッシングに関する秘訣や記事や会話が、ひっきりなしに現れるようになる。これもRASの働きです。