アイデアや目標は「書き出す」ことが大切
古い手帳やノートを読み返してみると、目からウロコの体験をすることがあります。
私が延々と書き出してきた考えや夢、アイデアの断片は、当時はバカバカしいと思われました。ビジネスを始めて間もない頃、私は象徴的な起業家の情報を貪るように集めていました。偶然、サー・リチャード・ブランソンの業績と、ヴァージン・ユナイトという非営利団体のことを知り、夢中になりました。
営利を目的とし大きな成功を収めているヴァージン・グループというブランドと、非営利部門を通じた社会貢献事業への猛烈な取り組みという、異質な組み合わせがとても気に入りました。私は黄色いリーガル・パッドに「ヴァージン・ユナイト」と走り書きをしたきり、その件についてすっかり忘れていました。
それから9年も過ぎたある日のこと、ニューヨークのイベントでヴァージン・ユナイトの人に出会いました。その出会いがきっかけとなり、南アフリカ共和国の地元のスタートアップ企業を指導するために招かれ、なんとサー・リチャード・ブランソンその人と一緒に過ごすことになりました。
結局、ヴァージン・ユナイトとは他にもいくつかのプロジェクトを行なうことになり、同団体のチームと素晴らしい関係を築きました。古いキャビネットを片付けている時に、「ヴァージン・ユナイト」と走り書きされたあの黄色いリーガル・パッドを見つけたのは、それから何年も経ってからのことです。
目標を達成できる確率を42%上げる方法
これはほんの一例ですが、当時はありえないと思われた途方もないアイデアが、何年も経ってから思いもよらぬ形で実現することがあります。
これは何も驚くようなことではありません。ドミニカン大学カリフォルニア校の心理学教授ゲイル・マシュー博士が行なった研究はよく引用されています。その研究によると、自分の目標を書き出せば、それを達成する確率が42%上昇します。
被験者のグループには男女共に含まれ、年齢は23歳から72歳まで、世界各地からさまざまな職業の人たち――起業家、教育者、医療従事者、アーティスト、法律家、銀行家その他――が集められました。被験者は目標を書き出すグループと、書き出さないグループの二つに分けられました。
結果は明らかでした。目標を書き出したグループは、書き出さなかったグループに比べ、その望みをかなり高い確率で達成したのです。