日本政府は報復措置も準備

菅義偉官房長官は4日の記者会見で、韓国側の司法手続きについては「明確な国際法違反であり、現金化に至ることになれば、深刻な状況を招くので避けなければならない」と指摘しており、「韓国側に早期に解決をするよう強く求めていきたい」また、「日本企業の正当な経済活動の保護の観点から、あらゆる選択肢を視野に入れて、引き続き毅然と対応していきたい」との考えを述べています。

日本政府は日鉄の資産が現金化される場合、報復措置を取る構えです。例えば、韓国人へのビザ発給制限と駐韓日本大使の召還、金融制裁、輸出管理厳格化が政府内で検討されています。また、韓国経済に打撃となる報復関税や韓国側の日本国内資産の差し押さえも選択肢として浮上してきています。

輸出管理厳格化については、2019年7月の特定3品目の輸出手続きを厳格化した際の、サムスンやロッテの動きで、韓国経済にとって大打撃であることは明らかです。

昨年、日本の対応を受けて、文政権と韓国の企業経営者との協議をする場を設けたものの、「サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長と、韓国ロッテグループの重光昭夫会長は、文政権の会合に出席するのではなく、訪日した」と真壁昭夫氏が著書『9つの悪魔に支配された韓国経済の悲劇:日本には永遠に追いつけない経済構造の罠』の中で記述しています。

韓国企業の訪日の目的は「半導体生産に必要な高純度の日本製素材の確保と、邦銀からの融資継続」を目指すためにあったのです。自国の大統領との会合よりも、日本が大事。民間が生き残るためにとった行動からも、韓国経済の日本依存度は非常に高いのです。

実際に、韓国の半導体産業の「脱日本化」がかなわなかったことは、以前「韓国・文在寅が夢を描いた『日本依存脱却』からはや1年…コリアで地獄が進行した」のなかで述べています。

日本企業が韓国を離れてつらいのは韓国

韓国は、恒常的にドル資金不足の構造にあり、ドルが枯渇するとキャッシュフローが回らなくなる危険性が高い国です。上記で述べたように、輸出管理厳格化の際に韓国企業が訪日をした目的の1つに「邦銀からの融資継続」があります。

日本の銀行は、韓国の銀行に融資を行っていますが、もし、日本の金融機関が超短期のドル資金を融通しなくなる場合などを考えると、韓国の銀行はキャッシュフローが回らなくなる事態に陥ってもおかしくないのです。日本は、半導体材料の輸出管理厳格化だけでなく、事実上の金融制裁といった措置を取ることも可能なのです。

コロナで世界経済が大きな打撃を受けている今、対立にエネルギー注ぐ余裕などはないはずです。ましてや、日本企業の韓国離れが進んでしまうことは、韓国の自国の経済の首を絞めることにつながりかねない。国というものは1つの言動がどこまで波及し、国内経済に影響を与えるかまでのシナリオを考えて行動するべきでしょう。

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