尖閣、周辺海域には中国の主権が及んでいると主張
「数百隻もの中国漁船の尖閣周辺での航行を制止するよう、日本が要求する資格はない」
中国当局がこうした高圧的な“宣言”によって、8月の休漁期間解禁後に漁船で大挙して尖閣沖に押し寄せると予告した――。産経新聞が独自情報としてこう報じたのは8月2日。茂木敏充外務大臣は4日、「そうした(予告を受けるといったような)事実はない」と会見で述べ、そのうえで「様々な状況に適切に対処できるように必要な体制を構築している」と主張した。産経新聞の報道を否定した格好だが、一方で尖閣諸島について茂木外相の言うような「必要な体制」が構築されているのかといえば、疑問が残る。
コロナ禍の渦中にあった今年5月には、中国海警の2隻の船が日本漁船を追尾・接近、海上保安庁の船が間に入って事なきを得るという事態も発生した。中国側は「日本漁船が中国の領海内で違法な操業をしたため海域から出るよう求めた」(中国外務省報道官)と述べており、尖閣、周辺海域には中国の主権が及んでいると主張する状況に至っている。今年は8月3日に途切れるまで、111日連続で中国海警の船が接続水域に侵入していた。