中国が完全に孤立しているワケ
中国との貿易問題も抱える米国の対抗措置はさらに激しさを増している。ドナルド・トランプ大統領は、香港民主派への弾圧に制裁を科す法律や香港への優遇措置を撤廃する大統領令に署名。米商務省は7月20日、ウイグル族などへの人権侵害に加担したとされる中国企業への輸出を禁止する制裁措置を発表し、同21日には米司法省が米国や日本、英国、韓国などの企業数百社を標的に新型コロナ研究に関する情報や知的財産を盗もうとしたとして中国人2人を起訴したと説明した。
マイク・ポンぺオ国務長官は7月21日、訪問先の英国に滞在している香港の民主活動家と面会して中国を牽制、同22日、米政府は米テキサス州ヒューストンにある中国の総領事館の閉鎖を要求した。わずか数日間で矢継ぎ早に見せた対中強硬姿勢は、もう1つの超大国としての責任感を感じさせる。
ウイグル族への弾圧を「今世紀最大のウソ」と言い張る中国は、「一方的な政治的挑戦であり、国際法のルールや条約に違反する」「中国政府は必ず断固とした措置をとる」と勇ましく反発しているが、その一方で「米国には中国を抑圧したり、いじめたりする人がいることは知っている」と漏らすなど、急に「被害者ヅラ」も見せる。ポンぺオ国務長官に世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長への買収疑惑まで暴露され、もはや中国はこの地球上で孤立していると言ってよいだろう。