APAがこの状況で攻め続ける理由

このコロナ禍でホテル業界に軒並み元気がなくなる中、アパホテルは新型コロナウイルス感染者の受け入れにいち早く名乗りを上げ、現在までに全国9棟のホテルを療養施設として貸し出しています。

あとちょっとで、APAは断トツ日本一のホテルチェーンになる。(元谷氏)
あとちょっとで、APAは断トツ日本一のホテルチェーンになる。(元谷氏)

政府から新型コロナウイルス無症状者および軽症者の受け入れについて意向打診をいただいたのは、2020年4月2日のこと。日本中が戦後最大の国難にあり、世界中が第3次世界大戦ともいえる大打撃を受けている中で、ホテル業界のリーディングカンパニーとして医療崩壊を防ぐためのご協力をしたい、皆さまの期待にお応えしたいという想いから、即座にお引き受けする旨、回答いたしました。

受け入れを決めたときは、コロナウイルスが今よりよく解明されていない時期でした。感染力や致死率はどれくらいなのか、どのように感染するのかなどの情報が不明瞭な中、誰もが未知のウイルスに強い不安を感じていたと思います。そのような状況で、感染者受け入れホテルで働いてくれる従業員がいるだろうかと最初は不安を感じていました。

ところが蓋を開けてみると、むしろ予定していた数を上回るたくさんの応募がありました。自治体への一棟貸しなので、そもそも従業員の数は少なくて大丈夫で、例えば「アパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉」(横浜市中区・2311室)では通常時で70~80人の従業員が働いていますが、コロナウイルス感染者の受け入れ時に従事してもらうのは10人くらい。少し手当を出したこともあるかもしれませんが、その定員の何倍もの応募がありました。多くの従業員が代表と芙美子社長の想いに共感して頑張りたいと思ってくれたことに、正直救われましたね。