豪雨災害や台風被害にあった自治体への寄付は増えている
総務省は繰り返し、過度の返礼品競争がふるさと納税人気を支えていると主張してきた。だが、ふるさと納税で寄付する人が全員、返礼品目当てという訳ではない。その地域を応援したい、という気持ちで寄付している人は少なくないのだ。
その証拠に、豪雨災害や台風被害にあった自治体への寄付は年々増える傾向にある。「返礼品なし」を選択し、「使途」を指定できる「ふるさと納税」制度を使った資金集めも自治体の工夫次第で可能なのだ。
泉佐野市長の冒頭のコメントにある「いろいろできたのではないか」という発言は、まさにこうした創意工夫の機会を奪った総務省への怒りの声でもある。新型コロナウイルスの蔓延に伴う経済悪化をどう支えるのか、自治体にとって重要な課題になっている。そうした地域を支える仕組みとして、今年度も「ふるさと納税」制度を使った取り組みが増えるに違いない。
創意工夫し、人々の意識に訴えることに成功した自治体がより多くの寄付金を集める。総務省の役人が自治体の配分額を決めるよりは、はるかに民主的な仕組みだと言える。