韓国の雇用状況「悪化は避けられない」
韓国経済の後退懸念が一段と鮮明化している。
特に、韓国経済のけん引役である輸出の減少が続いている影響は大きい。対中輸出は幾分か持ち直しつつあるものの、米国や欧州、インドなどの他の地域向けの輸出が深刻だ。その背景には、新型コロナウイルスによって世界の需要が落ち込んだことがある。
韓国が高いシェアを持つDRAMなどの半導体の輸出は横ばいだが、その他の輸出品目に関しては厳しい状況が続いている。世界的な需要の低迷に影響され、自動車、鉄鋼や機械などの輸出が減少した。その結果、韓国の労働市場の悪化が鮮明になっている。
労働組合などを支持基盤とする文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、本格的な労働市場の改革を進めることは難しいだろう。今後も、雇用状況の悪化は避けられないとみられる。特に、20代前半を中心に韓国の所得・雇用環境は一段と悪化する恐れがある。文大統領にとって、これからの経営政策の運営は一段と難しくなることが予想される。