週刊文春が「黒川弘務検事長は接待賭けマージャン常習犯」という特ダネを放った。黒川氏は1月末、東京高検検事長としての定年延長が閣議決定され、検事総長に昇格するとの観測が浮上していた。さらに検察官の定年を引き上げる検察庁法改正案をめぐって、黒川氏の定年延長を「後付け」で正当化するものだと野党から批判が噴出していた。ツイッター上では「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグ付きの投稿が14万件を超え、検察OBや全国の全国の弁護士会が反対を表明し、まもなく政府・与党が今国会での改正案の成立を断念した。

「監獄ホテル」として生まれ変わる旧奈良監獄(奈良市)で開催された、改修工事の本格化に向けた着工記念式典で、山下貴司法務大臣の式辞を代読する黒川弘務法務事務次官=2018年11月23日
写真=時事通信フォト
「監獄ホテル」として生まれ変わる旧奈良監獄(奈良市)で開催された、改修工事の本格化に向けた着工記念式典で、山下貴司法務大臣の式辞を代読する黒川弘務法務事務次官=2018年11月23日

週刊文春の記事を受け、まもなく各メディアは黒川氏が辞意を表明したと報じた。いくらなんでも検事長が賭けマージャンを、しかも新聞記者としていたなんて、辞める以外に黒川氏に残された道などなかったであろう。

しかし、社員が黒川氏と賭けマージャンをしていたという産経新聞と朝日新聞はいかがなものだろうか。権力とここまで癒着しているなんて、読者への裏切り行為ではないか。そんな中、全国紙社会部の男性記者は匿名を条件に新聞社と権力の癒着の構造を語ってくれた。男性記者は「また賭けマージャンする記者は絶対現れる」と断言するーー。