朝日新聞よ、恥を知れ!

その後、ゴーン氏の逮捕をめぐっては、外国の報道機関から、日本の司法が不当に身柄を拘束する「人質司法」をおこなっているとさんざん批判された。だが当局とベッタリの日本の新聞記者にはそんな感覚はそもそもない。なぜなら、「当局は絶対」だからだ。当局が間違っているわけがない、という性善説を、本来であれば当局を監視する立場の新聞社は持っている。そんな朝日新聞はゴーン逮捕の特ダネを就活生向けのイベントで自慢し、ちゃっかり新聞協会賞にも申請していたという。全くの恥知らずだ。

朝日だけではない、これは新聞社全般にいえる問題だ。新聞各社は2014年のマウントゴックス社のビットコイン流出事件をめぐり、同社CEOのマルク・カルプレス氏の逮捕を大々的に報じてきたが、結局彼は無罪となった。あれはなんだったのか。

さて、私は烈火のごとく新聞社の癒着態勢を批判してきたが、本音としては、それが巨悪を倒すためであれば、癒着でもなんでもすればいいと思っている。正直、週刊文春がどういう手段でネタを引っ張ってきているかなんて知らない。もしかしたらモラルに反する方法なのかもしれない。癒着もしているのかもしれない。それでもこれだけの特ダネを打つのだから、それは許されるべきだと思う。結果が重要だ。しかし今の新聞社は、権力と癒着したところで大きなスクープが打てない。世のためにもならないスクープのために、つまらぬ便宜を供与している新聞社に未来はあるのか。無いに決まってる。

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