店員などに悪質なクレームをつける「カスハラ」が深刻化している。弁護士の島田直行氏は「私たちが普段通りの生活を送れるのも、地元のスーパーのおかげだ。従業員のみなさんを守るため、クレーマー対応の4カ条をお伝えしたい」という——。
スーパーの店員がレジを使用している
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店を守るため「不当な要求」を野放しにしてはいけない

店員などに理不尽な悪質クレームや迷惑行為をするカスタマーハラスメント(カスハラ)が深刻化している。食品スーパーの主要3団体は4月14日、来店客に対して「適切な来店マナー」を呼びかける声明を出した。

感染リスクにさらされながら、クレーム対応で疲弊した従業員からの退職相談が相次ぎ、事業継続すら脅かされる事態になっている。

スーパーの従業員は、新型コロナウイルス感染とクレーマー対応というふたつの恐怖に挟まれながら仕事をしている。私たちは従業員のみなさんのおかげで、新型コロナウイルスの広がりのなかでも何とか普段の暮らしを維持することができる。

誰であっても感謝することが筋であろう。それでもなかには自分の価値観だけで行動し他人を責めることをいとわない者もいる。こういった者による不当な要求を野放しにしていると、一生懸命に勤務している従業員に過大な精神的負担を与えることになる。耐え切れずに退職を申し出てくるかもしれない。

そのことを認識してもらったうえで、今回は私が弁護士として長年クレーム対応をしてきた経験から、「カスハラ対応の4カ条」をご紹介したい。