日本語の微妙なニュアンスをそのまま英語で伝えると、大変なトラブルになることがある。『外資系1年目のための英語の教科書』の著者マヤ・バーダマンさんは、「『検討します』『持ち帰ります』という英語表現はありません。日本人に話す感覚で、『I’ll think about it』といっても、英語話者には通じないでしょう」という――。

※本稿は、マヤ・バーダマン『外資系1年目のための英語の教科書』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

国際実業家は徒歩一緒にオフィスビルの廊下
写真=iStock.com/Kavuto
※写真はイメージです

今回のテーマ:「英語会議」での間違いやすい表現

●会議前:相手のミスを責めずに催促する

依頼をしてしばらく経っても何も反応がないときは、相手がそもそもメールを見ていない、依頼内容がきちんと伝わっていない、忙しすぎて手をつけていなかったなど、様々なケースが想定されます。こういう場合は、相手を責めることなく、「確実に相手にアクションを取ってもらう、目標を達成する」といった具体的な結果につながるよう催促することが必要です。

例えば、翌日のミーティングに必要なスライドを相手が提出していないとき。まだ受け取っていないことを伝えるときは、you didn’t submit... と言うと、相手を責めているように聞こえてしまいます。

特にyou didn’t...(あなたは~していない)は直接的なニュアンスが強くなってしまうので、次のような表現は避けたほうが良いです。

You didn’t submit your slides for tomorrow’s meeting.
(あなたは)明日のミーティング用のスライドを提出していない(です)。
You didn’t reply yet.
(あなたは)まだ返信していない(です)。

期限が過ぎた場合も、相手に遅れがあったとはいえ、客観性を保つ表現を使います。相手とのつき合いは今後も続くので、角を立てたり責めたりする言い方は避け、できるだけ次に繋がり、良好な関係を継続できるようなコミュニケーションを心がけたいところです。

●Do’s
I’m afraid that the submission is late.
恐れ入りますが、提出が遅れています。
We would appreciate it if you could keep the deadline.
期限を守っていただけますと助かります。
We have not received your slides for tomorrow’s meeting.
明日のミーティングのためのスライドをまだ受け取っておりません。
Could you please submit your slides for tomorrow’s meeting?
明日のミーティングのためのスライドをお送りいただけますか?
●Don’ts
You missed the deadline.
締め切りを過ぎました。※相手に。
You didn’t meet the deadline.
締め切りを守れなかった。※相手に。

You are late.
遅いですね。/遅刻しましたね。※相手に。

Do’sで紹介したように客観性を保った表現にしたほうがやわらかく聞こえます。