アルコール度数が高めの「ストロング系缶チューハイ」が人気だ。トータル飲料コンサルタントの友田晶子氏は、「『ドラッグと同様に規制対象にすべき』という指摘もあるが、悪いのは商品ではなく『ゴクゴク飲み』。本来は料理に合わせてゆっくり楽しめるお酒のはずだ」という——。
果汁感が前面に感じられ、飲みやすい
ストロング系缶チューハイが話題だ。
たとえば、人気のサントリー「-196℃ストロングゼロ<ダブルレモン>」は、“-196℃製法”による果実の浸漬酒と果汁をダブルで使用した、アルコール度数高め(9%)の飲みごたえとしっかりとしたレモンの果実感(レモン果汁3%)がウリ。きりりと引き締まった味わいは食事に合うし、おまけに糖類、プリン体ゼロ。だから名前もストロングゼロ。お酒好きが飛びつくポイントが満載である。
最近は若者や女性層からの人気も高く、「ギガレモン」「瞬感レモン」「トリプルピーチ」「トリプルグレープ」など新商品・限定品を続々と投入し、もはや今の市場において、人気酒の位置を獲得している感さえある。このストロングな飲み物を取り巻く現状を見てみよう。
「ストロングゼロ」は、厳選した果物を-196℃でまるごと瞬間凍結し、パウダー状にしたものをウオッカに浸漬し、さらにそこへ果汁をもプラスするダブル製法。だから、アルコールの刺激よりも果汁感が前面に感じられ、飲みやすくなるなっているうえに、グレープフルーツ、ライム、シークワサー、完熟梅、桃、ゆずなどのバリエーションもある。
4月7日発売の「キリン・ザ・ストロング 麒麟特製レモンサワー」は、「追いレモン潤沢仕立て」と銘打ち、高果汁感で期待が高まる。現行品の「キリン・ザ・ストロング」も、かんきつ果肉から抽出した独自のハードエキスにより、アルコール9%に負けない厚みや複雑みをプラスし、バランスいい味わいが人気だ。