思い切った追加金融緩和に踏み出した日銀
深刻化する新型コロナウイルスの蔓延は、世界の金融システムを壊すところまで我々を追い込むのだろうか。
世界で株価が乱高下を繰り返し、原油価格も17年ぶりの安値を付けるなど、市場を大きく揺さぶっている。主要国の政府や中央銀行は、思い切った財政出動や、金利の引き下げ、量的緩和などに踏み切り、金融システムの崩壊を必死で支えている。
日本銀行も3月18日と19日に予定していた金融政策決定会合を急遽16日に前倒しして緊急開催し、大幅な量的緩和策の拡充に踏み切った。ETF(上場投資信託)の買い入れを、これまで年間約6兆円保有残高を増加させるとしてきたものを倍増させ、「年間約12兆円に相当する残高増加ペースを上限に、積極的な買い入れを行う」とした。
また、不動産投資信託(J-REIT)についても当面年間約1800億円を上限とする水準にペースを上げるとした。コマーシャルペーパー(CP)や社債も合計2兆円の追加買い入れ枠を設定。増額分の買い入れを2020年9月末まで実施することで、企業の資金繰り不安を解消する策を取った。
さらに、2020年9月末までの時限措置として、「企業金融支援特別オペ」を導入し、民間企業債務を担保にして最長1年間、ゼロ%金利で資金供給できるようにした。