SARS終息宣言は発生から8カ月後だった
新型コロナウイルスへの感染者が日本国内でも広がっている。潜伏期間とされる2週間以内に中国に渡航したことがない国内在住の人の感染が確認されたほか、発症していない人からも感染が広がっている模様で、日本の「水際対策」では十分に防御できていないとの見方も出ている。死亡率は高くないとされているが、中国・湖北省武漢市では死者が相次いでおり、不安が高まっている。
そんな中で、米国は保健福祉省が緊急事態を宣言。直近で中国に渡航歴のある外国人の入国を停止したほか、英国は中国に滞在する自国民に退避勧告を行った。
焦点はこの感染拡大が、いつ終息するかだ。
日本は今年夏に東京オリンピック・パラリンピックを控えており、7月末には開会式を迎える。SARS(重症急性呼吸器症候群)が集団発生した際は、2002年11月16日に中国で始まり、WHO(世界保健機構)が終息宣言を出したのは2003年7月5日だった。仮に今回の新型コロナウイルス蔓延の終息宣言が7月までずれ込むと、オリンピックを目当てに世界からやってくる観光客の数に大きな影響を及ぼす可能性も出てくる。