常識と良識で考えると明らかにおかしい

国内で新型コロナウイルスによる肺炎の感染が増える中、一部のネットオークションサイトなどではマスク60枚セットが約10万円、1800枚セットで約30万円など、常識では考えられない高い価格で転売されはじめた。転売によってかなりの収益を得たケースも報じられている。

品薄状態が続くドラッグストアのマスク売り場=2020年1月31日、大阪市
写真=時事通信フォト
品薄状態が続くドラッグストアのマスク売り場=2020年1月31日、大阪市

常識と良識にもとづいて考えると、この状況下でマスクを高額で転売するのは容認されないだろう。多くの人がマスクの入手に困っている。その解決には、わが国全体での協力が欠かせない。社会全体で考えた時、マスク入手に困る人々の足元を見るようにして高額での転売を行い、利得を手に入れる行動が容認あるいは黙認されるのはおかしい。

別の観点からマスクの高額転売を考えると、ITプラットフォーマーは自社がどのような社会的な要請、期待を負っているか、冷静に考える必要がある。オンラインでオークションやフリーマーケットを運営する企業は“社会の公器”としての自覚を一層強く持ち、人々の信頼を獲得するために行動しなければならない。