一般的にコロナウイルスは寒さに強く、暑さに弱いが…

新型コロナウイルスの感染が世界中で広がっている。厚生労働省などによれば、3月8日午後9時15分時点の日本国内の感染者は1190人(うち死者14人)。米ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター(CSSE)などの集計によると、日本時間の3月7日午後、世界の感染者は10万3735人、死者は18カ国・地域で計3519人となった。

新型コロナウイルスは一体いつになったら終息するのか。一般的にコロナウイルスは寒さに強く、暑さに弱い。新型コロナウイルスも、気温の上昇とともに私たちの周りから消えていくと考える専門家は多い。ただし、もし4月ごろに気温上昇で感染拡大が収まったとしても、気温が下がる秋には再び流行する恐れがある。今年10月ごろから来年3月ごろにかけ、第2波、第3波の流行がやってくる。

新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で発言する安倍晋三首相(左手前から5人目)=2020年3月7日、首相官邸
写真=時事通信フォト
新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で発言する安倍晋三首相(左手前から5人目)=2020年3月7日、首相官邸

だから春に流行が収まっても安心せずに、秋からの流行に備えるべきである。通常、大勢の人々が免疫を獲得していくことによってその病原体は力を失っていくが、一度の流行だけでは免疫をもつ人が足りない。これは過去の新型インフルエンザの流行を考えてみると、よく分かる。

これまで新型インフルエンザウイルスは、スペインかぜ(1918年)、アジアかぜ(1957年)、香港かぜ(1968年)、さらにアメリカ南部で発生したとみられるブタ由来の新型インフルエンザ(2009年)と、過去に計4回出現した。いずれも第2波、第3波と流行を繰り返し、免疫をもつ人が増えることで徐々に力を失っていった。