外部とコラボして新製品を生み出すコツ
本連載では、全国のファミリービジネスで代替わりを機に革新を起こしている「第二創業」企業を題材に、経営学の知見も重ねながら学びを得ていきます。今回のキーワードは「オープンイノベーション」。簡単にいえば、他者(他社)と協力(コラボレーション)して新しい製品・サービスを生み出していくことを指します。以前から新事業開発の手段として欧米では盛んでしたが、近年は、日本でも取り組む企業が多く出てきています。
経営学からみても、オープンイノベーションは重要です。イノベーションの源泉は「既存知と既存知の新しい組み合わせ」。これはイノベーションの父とも呼ばれた経済学者シュンペーターが80年以上も前から主張している法則です。しかし、人は認知に限界があるので目の前のものしか組み合わせられず、やがて知と知の組み合わせは尽きていきます。したがって、自分たちが日頃関わっていない「他者」とコラボすることで、知と知を新しく組み合わせることができるのです。
しかし「他者との協業」が簡単ではないのも事実です。日本では多くの企業が「オープンイノベーションを始めてはみたものの、結果がついてこない」と言われます。大企業がスタートアップ企業と組んでもなかなかうまくいかないのが、典型例でしょう。