自ら会社を起こした起業家の女性たちは、多忙な中でも常に学びをおこたりません。時にいばらの道を歩み、研さんを続ける彼女たちの“一歩先を見すえた”学習法とは?
※写真はイメージです(写真=iStock.com/RyanKing999)

アートや歴史、人との出会い……

マニヤン麻里子さんは、コーポレート・コンシェルジュサービスを展開する「TPO」の社長。企業にコンシェルジュを派遣し、従業員のプライベートの相談に乗って、適切なサービスを提供する会社だ。

マニヤン麻里子さん。(撮影=神ノ川智早)

幼少期をニューヨークで過ごし、フランスの大学院で学び、パリの出版社で働いた経歴を持つマニヤンさんだが、大学院ではフランス語の習得に苦労したそう。

「英語を習得しているので、フランス語もなんとかなると思っていたら全然理解できず鬱々うつうつとなって……。だから、子どもの頃英語を覚えたように、子ども向けの本を読み、ラジオのニュース番組を聞いて、わからない単語を調べて、ひたすら家にこもって勉強しました。でも1番苦労したのは発音。フランス語は発音ができていないとほとんど通じません。そこで、友人に発音の特訓をしてもらってコツをつかんだら、グンと会話力がアップしました」

マニヤンさんの愛読書。シュリーマンの考古学への大いなる探求心に引かれ、繰り返し読んだ本。彼が苦労して語学を学んだ経験も詳細に書かれていて、マニヤンさんがイタリア語を勉強する際の参考書にもなったそう。(撮影=神ノ川智早)

マニヤンさんの愛読書に『古代への情熱』がある。トロイア遺跡を発見したシュリーマンの自伝であり、壮大な考古学の本だが、彼は十数カ国語をあやつる語学の天才だったことも彼女を引きつけた。音読を繰り返す、興味があることについて作文を書いて添削してもらう、教会の説教で使われる言葉を一語一語まねするなど、彼の語学習得の方法もこの本に詳述されている。

「シュリーマンの通りにイタリア語を学んだら、フランス語よりも早く習得できたのです!」