少女たちが裸の画像を躊躇なく送る3つの動機
【1:嫌われたくない症候群】
先ほどの例でいえば、女友だちになりすましていた男に対し、彼女(A子・中3・東京都在住)は最初はさすがに嫌がっていたのだが、執拗な相手に結局、根負けすることになる。
「なぜなのか?」と尋ねた筆者に彼女(A子)はこう答えた。
「断り切れなかったでんです。相手に『私(成りすまし男)はA子のこと親友だと思って、誰にも言えない秘密を送ったのに、A子は私のこと親友とは思ってなかったんだね……』と言われて」
年頃の女の子にとって秘密の共有は、親友の証しでもある。そこを巧みにつかれてしまったのだが、その根底には、日本の教室文化にはびこる「空気を読み」→「嫌われないようにふるまう」ということが大きく影響しているように思うのだ。
そのため、自分よりも上の立場の相手に強く言われてしまうと反論する術もなく、簡単に迎合してしまう。
さらに、思春期特有の感情として「他人の感情に反応してしまう」という特徴がある。これは、「一緒に死のう」と考える親友同士が、どちらか一人の感情に過剰に反応してしまった結果、そのような心理を共有してしまうような現象に代表されるかもしれない。
ゆえに、A子のように、相手が「被害者を装う」あるいは「パワハラ」(「俺のことを愛しているなら、できるはず」というような脅し)をかけてきた場合、毅然と断ることができなくなるのだ。
A子のケースは「もうこれ以上は送らない」と言った途端に、その正体を現した“なりすまし男”が執拗に脅迫してきたために、警察が介入することになった。
こうしたトラブルに関して、親ができることはわが子にこう繰り返し伝えることだ。
「自分の心と体を守るのは自分しかいない」
「あなたが嫌がることを強要し、傷付けても平気な人間は友達ではない」
「自分が正しいと思うことを伝えることをためらってはいけない」