ゲームアプリで知り合った人と“カレカノ”関係になって

【2:性への興味と注目されたいという思春期独特の思考】

神奈川県に住むB子(現中2)の例を挙げよう。B子はサラリーマンの父親と専業主婦の母親、小学生の妹という家族構成の、ごく普通の家庭で育ってきた、あどけない笑顔のお嬢さんだ。

B子は筆者にことの経緯をこう話した。

「学校の友だちとセックスに関する話題が増えてきて、誰が最初に経験するのかということで盛り上がっていたんです。ヒエラルキーでいえば、彼氏がいる子が上で、男子から相手にされない子は下という雰囲気があって……。私は下。そんな時にちょうどゲームアプリで知り合った人と“カレカノ”関係になりました。友だちに自慢しているうちに『いいなぁ』『すごいじゃん!』『早く経験しちゃいなよ』って話になって、彼氏に相談しているうちに『画像が欲しい』ってことになって……」

写真=iStock.com/D76MasahiroIKEDA
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驚くべきは、B子はその彼氏=「ヒカル」と名乗る16歳の高校生に会ったこともなく、実在の人物かどうかも把握していないということだ。

このB子の件は、親がB子のスマホのトップ画面に出たLINEのポップアップの不穏な文面を偶然見たことにより裸の画像を送らずにすんだ。「ヒカル」はその後、B子に接触してこなくなったという。

中学生であれば、性への興味は抱くのはふつうのことで、それ自体は構わない。だが、親は逃げることなく、語りかけないといけない。

不用意なセックスには性病や妊娠のリスクがあること。性暴力をふるう相手が存在すること。少女(少年)の性を食い物にしている人間もいること。裸の画像がネット上で出回ったら最後、完全に消えることはないこと。ネットでは正体を偽った悪意の人間がたくさんいることを、口が酸っぱくなるくらいに伝えなければならない。

未成年の子供は無防備だ。これを守るのは親の責務である。