トヨタ生産方式の本質を理解している

インドの環境は日本のそれとは違う。日本で決めた通りのやり方を墨守するとかえって生産性が落ちるのだ。MGFの人たちはトヨタ生産方式の本質を理解している。

ダヤルは私の考えを見透かすように説明した。

「エクスプレス・メンテナンスでも、人手がかかりすぎていると感じるかもしれません。しかし、効率化していますから、1日に13台程度のメンテナンスができます。一方、他社は同じ人数でとりかかっても1日にせいぜい6、7台でしょう。全体として効率化されているのです」

第二次大戦後、日本を筆頭に韓国、台湾、中国はモノ作りと輸出主導で成長した。しかし、インドは国内需要が底知れないほど大きいだけに、モノ作り、輸出主導ではない成長の道を見出している。国内需要とサービス産業で国を繁栄させようとしている。コールセンターの誘致などはその典型だろう。MGFトヨタはきめ細かいサービスで新車の販売を伸ばしている。(敬称略)

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