就活で何より重要なのがインターンシップ

前出のチェさんは、高校時代から、卒業後は自動的に警察に入れる警察大学を目標としていたが、2回受験に失敗し、代わりにソウル市立大学の歴史学科に入学した。人文系専攻かつ女子学生というダブルハンディを克服するため、チェさんは、大学入学当初から、コツコツと就職に必要なスキルを磨いてきた。

「映画業界への就職を目指しています。中華圏で韓流が人気なので、中国語を勉強し、大学2年を終えたところで、1年間休学して台湾へ短期留学に行ってきました。帰ってきて3年になると、映画アカデミーという塾に通って、映画関連会社に就職するためのポートフォリオの作成と映画の実務を学びました。ほかにも、TOEICやTOEICSPEA KINGの資格、コンピューターの資格などを取りました。語学はもっと点数を高くしないといけないので、今も英語と中国語の勉強を続けています」

しかし、就活で何より重要なのは「インターンシップ」だと、チェさんは言う。

「映画配給会社は、大学の専攻に制限を設けていないので、人文系の女子学生に最も人気のある就職先です。私が第1志望として狙っているCJE&Mは、韓国の企業順位で15位のCJグループに属していて、韓国No.1の映画会社です。国内の採用数はいつも一桁なので競争率は数百倍になります。一応、今年9月にある下半期の公採(公開の採用試験)に願書を出すつもりですが、正直、一度で合格できるとは思っていません。むしろ、10月にあるインターン募集が本命です」

インターンが採用に直結するケースも

韓国の企業は、インターンシップを採用活動に積極的に使っている。正規採用とは別にインターンを募集して、インターン期間中の業務評価を見て、正社員に転換させるケースも多い。

また、インターン後に正社員として採用されなくても、2カ月から長ければ6カ月の間、企業文化や実務を経験することができるインターンシップは、学生たちの就職活動に重要なスペックとなっている。

そのため、インターンになるには就職に負けないくらい狭き門をくぐらなければならないと、チェさんは説明する。